四国お遍路 その5(8月)
Shikoku Ohenro 5(November)

四国お遍路 その1(3月)
四国お遍路 その2(4月)
四国お遍路 その3(5月)
四国お遍路 その4(6月)
四国お遍路 その5(8月)
四国お遍路 その6(9月)
四国お遍路 その7(11月)
住職の体験談

 

8月14日

午前5時宿毛駅歩き始めました。まだ懐中電灯が要る時間帯です。
松尾峠を越えて愛南町の三叉路に着いたのが9時50分。
観自在寺に着いたのが、13時38分。観自在寺から伊予に入り(菩提の道場)の寺々を巡拝する事になります。

【目隠しの松】観自在寺は今は海岸から、かなり離れてますが昔は山門の近くに海岸がありました。
今の御本尊は薬師瑠璃光如来様ですが、当時は、十一面観音菩薩様で大変力のある仏様として人々から恐れられてました。寺の前を通るときは、「必ず本堂の十一面観音菩薩様に礼拝しなければ祟りがあり、大変な事になる」と言われていました。ですから、観自在寺の沖を通る船も、通るたびにわざわざ岸に船を着けて、十一面観音菩薩様に礼拝しなければならなかったのです。
山門の近くの道を馬や馬車に乗ったまま通ろうとすると、馬が動かなくなってしまい通れなかったのでした。勿論、馬や馬車から降りて礼拝すればそれで良いのですが、急ぐ場合や沖を通る船は通るたびに礼拝の為に時間が掛かるので、人々は何とかならないだろかと考えました。そして、本堂の十一面観音菩薩様から、道を通る人々や沖を通る船が見えなければ礼拝しなくても祟りは無いだろうといぅことで、山門の前に成長した松の木を植えました。十一面観音菩薩様の目から見えないといぅことで(目隠しの松)と呼ばれ、松の木のお陰で通るたびに礼拝しなくても祟りは無く、人々は都合の良い時に礼拝すれば良いようになったそうです。
伊予の国霊場昔話より引用しました。この本面白いですよ。
14時、半観自在寺を出発。国道56号線を歩いて愛南町のドライブインビーチに泊まる。

8月15日

午前5時半出発、柏本街道目指して歩く。
6時半、柏本街道入り口に着いた。
7時43分、柳水大師に到着。水を飲もうとすると水鉢が空になってる、水が入るようにして水鉢を洗い流して、綺麗な水をよばれて元気に出発。海抜470メートルから下り坂です。
8時47分、460メートルの水準点通過。津島町を通り、松尾峠遍路道を歩き宇和島リージェントホテルに泊まる。
17時20分、1日快晴、気温37℃。コンクリート、アスファルトの上は地獄の様です。
これが修行だと思うから歩けるのだけどでも暑いよ。

8月16日

午前4時起床。宇和島フジグラン近く迄歩き、近くのうどん屋さんで朝飯を食べて6時出発。
何の変哲もない県道57号線をひたすら歩き、41番龍光寺山門へと着いた。
山門脇の長名水さんでお接待をいただきました。有難うございました。
龍光寺は何故か赤い鳥居があるのですが、この寺は「三間のお稲荷さん」と地元では呼ばれ、親しまれています。

その昔お大師様が霊場を開かれる為にこの地に来られた時、稲束を持った白髪の老人が現れて「我この地に住み、佛法を守護し、諸民を利益せん」と言い残して姿を消されました。お大師様はこの老人こそ五穀大明神「稲麦粟稗豆」の化身と思われ、その尊像を刻まれ、お堂を建てて安置し稲荷大明神名付けて四国霊場の総鎮守府とされたのです。
農家の守り神として広く信仰を集めたのですが、明治の神仏分離によって氏神となり、龍光寺の本堂は新しく建てられて、本地仏の十一面観音が本尊となりましたがお大師様が勧請された稲荷大明神はお大師様と切り離す訳にいかず、本堂に安置されているとの事です。

龍光寺を打ち終えて山越えにて42番佛木寺に向かい山を降りたところで足の豆が痛くて、歩けなくなった。
靴下を脱ぎ豆の手入れを始める、木綿糸を4本にしてヨウドチンキを浸けて豆の中を樋していても、道路の熱さのために足の裏がふやけて豆が大きくなるのです。
やっとの思いで佛木寺の山門に入り 衣をまとい礼拝を済ませ納経所に行くと、一陣の風が涼しさを運んできた。思わず、「わ、涼しい」と叫んだ。仏の下さる一服の涼である南無大師遍照金剛、思わず出る御法号である。

佛木寺を後に12時40分歯長峠に差し掛かる。遍路休憩所で昼飯と一休み。
歯長峠に差し掛かる一番きつい坂道を上がり海抜480メートルの頂上を目指して出発。
16時、43番明石寺に到着。明石寺は天台時門宗で私の寺と同門なので、しばし歓談したのち礼拝を済ませました。
ここ明石寺は、その昔、「若い乙女に姿を変えた千手観世音菩薩が大石をいただいてこもった」と言われ、それ以来、霊地として人々に尊ばれてきました。ご詠河歌にあるように「聞くならく 千手の誓い 不思議には 大磐石も 軽くあげ石」とあるように、地元の人々からは「あげいしさん」と呼ばれ親しまれています。

17時半宿に入り 豆の手入れをしてお休み

8月17日

午前3時10分、起床。
足の手入れを済ませて、4時半出発。関所「国重文」前を通り、鳥坂峠到9時45分、海抜470メートル。

足が痛い我慢 我慢これも修業だ。
札掛大師堂礼拝し、国道56号に出たところで早昼を済ませてひと休み。
14時、大洲市内の叶石材前の木陰で足が前に進まなくなりひと休み。気温は日本一高く37度4分。体感温度はアスファルトの上を歩くとマダマダ高く感じますよ。
いつの間にか寝ていた様で、1時間位寝てました。目覚めても足が腫れて痛くて歩けない、仕方なくタクシーで宿まで行きました。
明日はここまで来て歩きます。

8月18日

3時10分起床、足が痛むが手当を済ませ痛み止めを飲んで、タクシーで昨夜の所まで行く。
叶石材前を5時出発。

大洲市内を通過ジョイフルにて朝食、6時半出発。
番外霊場十夜ケ橋礼拝し「いかざき」から泉ケ峠を経由野球場前を通り、内子駅到着10時半。
11時11分、宇和島行きで宿毛駅に置いてある車の所まで帰り、自防に向かいます。 次回は9月22日内子駅から歩きます。

 
宗教法人 不動院 
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